つくばチャレンジの場を用いた、ロボット要素機能等の評価・実証について
移動ロボットを開発・構築する者にとって、そのすべての要素を自ら開発することは現実的ではなく、移動ロボットに使える要素部品や技術を選択しながら、それらを用いてシステムの構築を行う必要があります。しかし、市場に存在する要素としてのサブシステムは、目的とする移動ロボットの動作に十分な機能を有していることは少なく、実際に使える部品や要素技術を見つけることは容易ではありません。
一方、移動ロボットをターゲットとした要素機能を開発する立場から見ると、その要素を評価するために移動ロボットのシステムを作って評価実験を行うることは、これまた、現実的ではありません。
さて、つくばチャレンジには、リアルワールドで働く、多くの、自律移動ロボットが集まっています。ここでは、各チームが自らの設計により、既存や自作の要素を組み合わせて移動ロボットを構築し、走行させる実験を行います。したがって、つくばチャレンジは、移動ロボットの要素技術を開発する人、あるいは、自分たちに要素技術が移動ロボットにどの程度活用できるかを知りたい人たちにとっては、極めて有効な技術評価、あるいは、完了・改善のための情報を得るチャンスとなっています。
そこで、つくばチャレンジでは、参加チーム以外へも、つくばチャレンジでの場でそのような実証を行うことを推奨し、参加チームへは、それに参加することを勧めています。
もちろん、各チームにとって、つくばチャレンジ参加の第1の目的は、実環境で働くロボットの実現です。したがって、移動ロボットにとって有用な機能としても、一般には、それを使うために大きな手間や時間がかかることに関わる余裕はありません。そこで、要素機能の実証を希望する側には、移動ロボットにとって、簡単に使えて、その有効性が評価できることを求めています。
つくばチャレンジにおけるロボットの性能向上はもとより、つくばチャレンジで実現された技術を、現実の色々なニーズに対応させる事を考えている参加チームは、これらの要素の性能や有効性の評価に参加することをお勧めします。
つくばチャレンジ2017で、実行委員会に協力の依頼があり、それが、各参加チームのロボット開発にも有意義と考えられている課題は、次のとおりです。
測域センサ(2D、3D)の評価(北陽電機):申込み受付中
移動ロボット用測域センサは、つくばチャレンジ10年間の歴史ととも に進化してきているが、本年度は、
・3次元測域センサ: YVT-35LX (3D-URG) (予定台数終了)
・ 2次元測域センサ: UTM-30LX-EW (EtherTop)
を、参加チームに貸出し中。
北陽電機(株)ニュース&トピックスページ
「つくばチャレンジ2017における測域センサの無償貸与のご案内」
移動ロボット用ローコストRTK-GNSSセットの有用性の実証評価(茨城高専・岡本先生、ヤトロ電子)
* 数㎝精度のGNSS(GPS)位置測定システム.。従来100万円オーダのコストだったが、最近、安いハードウェア(受信機)とオープンソースソフトウェアで、普通の移動ロボットにも利用可能なコストが実現されつつある。
* 岡本先生はRTK-GNSS技術の普及を目指して、誰でも使えるシステムの構築を進めておられ、 このシステムの性能と、有用性を検証しつつある。
* 受信機、ソフトウェア(オープンソース)とスタートアップマニュアルの セット(明春に10万円程度で発売予定?)20セットを、評価に参加するチームに提供し、ロボットに搭載した時の測位性能のほか、使いやすさ、導入の容易さ、な どの評価を期待
* 茨城県によるロボット実証事業による支援。
* 提供時 期:9月上旬の予定
* 参加チームの募集は、7/8に開始。当面 7/20 を締め切りとする。
移動ロボット用バンパの評価(三井化学ロボット材料開発室)
* 移動ロボット用の、使いやすい(インタフェースが容易な)、バン パーセンサーモジュール
* 接触を検知するバンパーは、安全な移動ロボットにとって、必須 だが、現状では簡単に導入できるものはない。それをモジュール化 して、簡単なコマンドで利用可能とした。
* 昨年度の検証を踏まえてた改良版を、評価に協力する15チー ムに提供・貸出
*貸出時期:7月末の予定
*現在、 参加・協力チーム募集中 (7/20まで)
「移動ロボット用バンパセンサモジュールの試用へのご参加のお勧め」
ロボットの位置・状態のモニタリングシステム(データ変換研究所)
* 自律移動ロボットなどの移動体の位置情報を、クラウドを使って管理するツール。
* 登録した車両の位置を、web上で見ることができる。
* 昨年に続いて実施する。今年は9月以降に、実証評価の参加者を募集予定とのこと。
* 昨年度の案内は以下を参照してください。
「データ変換研究所からの、モニタリングシステムの実用化に向けてのへの協力依頼」
屋外実験に必要な道具の調査と標準ツールセットの構成(ヤトロ電子、筑波大学)
* 昨年までに調査した、調査結果は、
にあります。
* これを参考にすることをお勧めします。利用の上で不足や不都合を見つけたチームは、ヤトロ電子か、つくばチャレンジ事務局までご連絡ください。