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つくばチャレンジとは
「つくばチャレンジ」は、2007年から毎年実施している、つくば市内の遊歩道等の市街地で移動ロボットが自律走行する技術チャレンジです。人々が普段使っているあるがままの実環境(リアルワールド)における、自律走行技術の進歩を目的としています。研究者と地域が協力して行う、先端技術への挑戦と公開実験の場です。
2007年から2011年までを第1ステージ、2012年は要望を受けて急遽2日間のみ小規模に開催、2013年から2017年までを第2ステージ、2018年から第3ステージとして実施しています。第1ステージでは、つくばエキスポセンター周辺を中心にコースを設定しました。第2ステージでは、大清水公園とつくばセンターを中心にコースを設定しました。第3ステージでは、つくば駅から研究学園駅に場所を移し、つくば市役所と研究学園駅前公園を中心にコースを設定しています。
2007年の第1回は 1 km を自律走行するという課題でしたが、徐々に距離も長くなり、難易度も上がっています。2013年の第2ステージからは、探索対象を発見するという課題が加わりました。また2015年には横断歩道の走行、2016年からは信号認識での横断歩道の走行が追加されました。2018年の第3ステージからは、前日に通知されるチェックポイントを通過するという課題も加わりました。
つくばチャレンジでは、具体的なロボットの用途を定めた課題設定にはなっていませんが、移動ロボットの利活用のシーンを様々想定し、そのシーンに通底する要素技術が含まれるように課題を設定しています。これらの要素技術に磨きをかけてゆく研鑽の場とも言うことができます。
大学研究室、研究機関、企業、個人、学生サークル、社会人サークルなどから、おおむね毎年50以上のチームが参加し、実環境での自律走行に挑戦しています。実験室の中ではなく、一般の人々がいる日常の市街地で実験が行われます。移動ロボット自身が環境を認識して行動を計画する自律走行技術の発展に、つくばチャレンジは大きな役割を果たしてきたと言えるでしょう。実際、参加チームの技術は年々向上し、この活動は学術的にも大いに評価されています。
つくばチャレンジが目指すもの
様々な組織の研究者が移動ロボットを開発して実験を行い、その結果と経験を互いに共有することにより、技術レベルを向上させることを目指しています。このため、つくばチャレンジシンポジウムや学会でのオーガナイズドセッションを開催しています。また、ロボット技術の現状を一般の人々に見て頂き、正しい理解を得ることがもう一つの目的です。
つくばチャレンジの立場
つくばチャレンジは、多数のチームが参加する、先端技術への挑戦と公開実験の場です。共通の課題を設定し、参加チームは課題達成を目的として研究開発を行います。しかし、順位を付ける競争(コンテスト、コンペティション)とは考えていません。よって、課題達成の評価に順位は付けません。賞金もありません。
つくばチャレンジ全体としての実験を、チーム同士で協力することで運営していきます。特に、日常の市街地での実験であり、安全への配慮が欠かせません。危険を避けるためにも、互いに協力して安全に留意しながら実験することが必要だと考えています。