条件
ロボットに関する条件
[1]ロボット
参加するロボットは、バッテリーや走行機能・センサ・情報処理機能・外部との通信機能などを全て内蔵した自立ロボットとする。
[2]ロボットの動作(自律走行の原則)
ロボットは、予めロボットに搭載された情報と、実時間でセンサなどにより取得した環境情報にしたがって、自律的に走行する。ロボットの開発者は、ロボットの走行開始に先立ち、ロボットのハードウェアとソフトウェア、および必要なデータを準備してロボットに搭載する。
ロボットは、走行開始後はゴール点について自ら停止するまで(安全確保のために特に指定された操作を除き)、開発者やオペレータのコントロールを一切受けることなく、完全に自律的に行動しなければならない。
環境の条件(リアルワールドの原則)
ロボットが走行すべき環境は、探索対象の人、および横断歩道を走るための安全確認・交通整理の要員がいることを除けば、つくば市内の市民が通常使っている、あるがままの遊歩道や広場・公園の環境である。この環境では、ロボットが走行するために既存の物の位置を変える等の準備は一切行わないことを原則とする。走行当日の環境の状況、すなわち天候や通行人やコース上の放置されたものなどの詳細は、予め知ることはできない。ロボットはその状況によらず、課題を自律的に達成しなければならない。
ロボットは、市民に迷惑をかけない限り、(そこに住む市民のために)予め設置されている道路や標識、あるいは設備を使うことができる。が、ロボットのために環境に何らかの準備を加えることは許されない。たとえば、元々準備されているGPSの信号の利用は自由であるが、ロボットのために自ら疑似GPSをおくことは禁止される。また公衆の携帯電話回線やWi-Fi等の公衆ネットワークサービスは利用できるが、ロボット本体上以外の環境側にルータなどの補助機器を設置することはできない。 ロボットは既設のインターネット(クラウド)上の各種のサービスを使うことは許される。しかし、開発者やその関係者がそのロボットのためのサービスをインターネット上に準備することは禁止される。
なおつくばチャレンジの安全な運営のために、実験環境には、スタートのライン等を地面に貼るほか、通過するべきガラス扉にクッション材を貼る。また、実験中の看板を出したり、コース管理担当者を置いたりするなど若干手が入る。ただし、それらは最小限のものとする。
<注>つくばチャレンジ自体の実施を、他の技術や手法あるいはその社会実装の実証試験のために利用する場合、その目的のための設備などを環境側に設置・配置することがある。つくばチャレンジでは、つくばチャレンジの場のこのような利用は歓迎するが、この場合、それを用いたロボットの走行が環境の条件(リアルワールドの原則)を満たしているか否かは個別に判断するものとする。
ロボットを走行させるための条件
[1]市民の安全の確保、および一般の人に迷惑をかけないための方策
走行させるロボットについて、安全のための遵守事項を定める。この遵守事項を満たしているロボットのみが動力による走行を行うことができる。またロボットを走行させる時は、必ず非常のための安全・操作要員(ロボットのオペレータ)と安全管理責任者の計2名が随行する。
[2]遊歩道とつくばセンター広場の走行をするための条件(確認走行)
課題コースのうち最初の部分の大清水公園内の区間を確認走行区間とし、この確認走行区間 (260m)の自律走行を達成したロボットのみが、その後の遊歩道やつくばセンター広場の区間の自律走行実験を行えるものとする。
この確認走行区間の自律走行の達成のチェックを「確認走行」と呼び、各実験走行日に行う。もちろんこの確認走行においても、コース上に障害物や他のロボット、通行人がいることはあり、ロボットはそれらに対して着実に対応できなければならない。 なお確認走行(確認走行区間での自律走行達成)の認定は、つくばチャレンジ2016でのそれ以降の実験走行日においても有効とする。
[3]ロボット走行時の随行の制限
本走行時には、非常時のための安全・操作要員(ロボットのオペレータ)と安全管理責任者の計2名を除いて、ロボットをとり囲んで随行することを禁止する。 実験走行時には、ロボット開発チームのメンバーは上記2名の他はロボットから5m以内に近づいてはならない。
<注>この条件の理由は、ロボットは自律して走行しなければならないのに、その側近に 多くの見守っている人がいると自律していないように見え、また随走者を含めたロボットの存在が、遊歩道の歩行者等の迷惑になるケースがあることによる。