つくばチャレンジ2018本走行について
つくばチャレンジ第3ステージの幕開けとして実施しました「つくばチャレンジ2018」では、6月末からの8回の実験走行日に引き続き、11月11日(日)に本走行を行いました。
本走行では、本年度参加登録ロボット(63チーム75台)のうち62台のロボットが出走しました。つくばチャレンジは2007年11月に開始して以来通算12回目となりますが、当日の気温はこれまでの中でもっとも暖かな印象で、好天に恵まれました。この暖かさは開発チームのメンバーや実行スタッフ、実行委員にとっては楽な条件でした。一方で、好天に恵まれた冬に向かう日差しのなかで、太陽の高度も低くなり、ビデオカメラを利用して自律走行を行うことに挑戦したチームには厳しい条件でもあっただろうと思います。好天な日射しが強い日陰を作りましたし、信号機の背後に明るい日差しがあって逆光になったりと、ビデオ画像を使って環境を見ることが難しくなる天候条件でもありました。
本走行当日は、つくばチャレンジに興味をお持ちいただいた企業など、多くの見学者も来場されました。参加したロボットは、その中で、一発勝負の自律走行に挑戦しました。大学や大学院で研究室からつくばチャレンジに参加していたメンバーが社会人になり、研究室を出た後も、今度は、個人的にでもつくばチャレンジに参加してくださる方を多く見かけるようになりました。このように地道に長く継続することの重みを感じております。
さて、本走行の結果ですが、2台のロボットがつくば市長賞授与の条件を達成し、同賞が授与されました。1台のロボットは完全課題達成、すなわち、スタートからゴールまでの約2Kmにわたる自律走行(マイルストーン3)を達成し、信号認識による横断歩道横断(マイルストーンA)、指定チェックポイントをすべて通過(マイルストーンB)、人探索実施で4人の探索対象者をすべて発見(マイルストーンC)の選択課題もすべて達成しました。もう1台のロボットは、マイルストーン3,およびマイルストーンA,Bの達成でした。十分な準備と計画、さらに実装と実験を周到に積み上げられた結果だと思います。
記録としては、マイルストーン3を達成したロボット6台、折り返し地点までの自律走行(マイルストーン2)を達成したロボット9台、確認走行地点までの自律走行(マイルストーン1)を達成したロボット27台、一方、マイルストーンAの達成7台、同B達成4台、同C達成1台、という成果を残しました。今年度の課題は、昨年度までに比べて直近のランドマークが少ない区間が長い、確認走行区間のなかで狭い通路があるなど、難しいところが多いという評判もありましたが、それでもこの成績が残されたことは、実環境における自律走行の技術レベルが確実に上がっていることを示すものと考えられます。
前日までの実験走行でそれなりの成果を残していた何台ものロボットが、早々に自律走行に失敗してリタイアするなどのケースが、今年度もありました。実環境で安定してしっかりと自律走行することの難しさも相変わらずであることを認識させられる結果でもありました。
本年度も、実験走行と本走行を通して、実りのある実験と情報交換ができました。参加された各チームの努力に敬意を表します。また、運営にご協力いただいた実行委員やつくば市・茨城県職員の皆様、このつくばチャレンジに協賛頂きました学協会や地域の企業、更にこの本走行を見に来ていただいた方々のすべてに心よりお礼を申し上げます。
つくばチャレンジ実行委員長 坪内孝司
結果
- 本走行出走:62台
- 本走行記録表
- 自律走行のマイルストーン
- マイルストーン1「確認走行区間」:27台
- マイルストーン2「折り返し地点」:9台
- マイルストーン3「完走(ゴール)」:6台
1850 千葉工業大学 fuRo アウトドア部
1825 おうち未来プロジェクト
1821 千葉大学 知能機械システム研究室
1862 てぃあふぉー
1810-2 群馬大学リバストチーム
1810-1 群馬大学リバストチーム
- 選択課題のマイルストーン
- マイルストーンA「信号認識横断」:7台
- マイルストーンB「チェックポイント通過」:4台
- マイルストーンC「探索対象発見」:1台
- 課題達成(完走+選択課題2つ以上):2台
1821 千葉大学 知能機械システム研究室(完走+A,B,C)
1810-1 群馬大学リバストチーム(完走+A,B)
実験レポート
実行委員
本走行の様子(動画)
- 「つくばチャレンジ2018本走行」
株式会社アクトビジョン様の協力により、本走行についてまとめた動画です。
- 中継動画
ネコビデオビジュアルソリューションズ様の協力により、本走行の様子を YouTube Live とニコニコ生放送で中継しました。
【移動カメラ】